【PANERAI】パネライのサイズについて
ブログをご覧の皆様こんにちは。
パネライ名古屋ブティックの大磯です。
本日はパネライをご検討される方の多くが、一度は悩まれるであろう
時計のサイズについて書きたいと思います。
今年11月にパネライはルミノールマリーナ40㎜を発表し
こちらは当店にも初回分が入荷しております。
その詳細はこちら
ルミノール40㎜は自社ムーブメント搭載モデルとしては”初”となります。
ルミノールは男性的でアクティブといったこれまでのイメージから
性別やご年齢、着用シーンなど、その選択肢の広がりを期待できる
注目のモデルと感じています。
その半面、長年のパネライフリークの方からは「小さいパネライってどうなの?」といったご意見を聞くこともあります。
その他にも「パネライらしいサイズは何ですか?」「おススメのサイズは何ですか?」というサイズに関するご質問をよく頂いております。
では、パネライはどの様なサイズ展開をしているのか、パネライらしいサイズとはいったい何か?
その辺りをあくまでも正確を求める訳でなく、これまでぼんやりとしていたサイズ選択のお手伝いになれば幸いと思い
書いていきます。
1.パネライのサイズとは?
パネライには44㎜や40㎜の他にも様々なサイズを展開してます。
では、そもそもパネライ(時計)のサイズとはどこの大きさを指すかについてご案内します。
一般的に時計のサイズを指すものに【ケース径】があり、
パネライでも、特徴的な半円型のリューズガードとリューズを除いた横幅の直径をケース径として表記しています。
つまり、パネライの44㎜といえば、
リューズガードを含まない部分のケース直径が44㎜という事になり、半円型のリューズガードはモデルにもよりますが、約7㎜ありますので、
44㎜の場合の横幅の実寸は51㎜くらいという事になります。
2.パネライのサイズ展開について
パネライのサイズの定義をご説明したところで、
ではパネライは実際にどのくらいのサイズを展開しているかを下の資料でご紹介します。
これは2021年現在で主要に展開しているカテゴリーとそのケースサイズの一覧です。
過去に展開していたコレクションやサイズなどはここには載せておりませんので、
パネライのプロダクト史においては、この限りではありません。
3.パネライらしいサイズとは?
さて、徐々に本題に切り込んでいきたいと思います。
ここでお客様に頂くサイズに関するご質問を
いつくかご紹介します。
Q.1 人気のあるサイズはどれですか?
Q.2 おススメのサイズはどれですか?
Q.3 パネライらしいサイズはどれですか?
私なりの回答はこのようになります。
Q.1 人気のあるサイズはどれですか?
A.人気=数 であれば ルミノール44㎜です!
これは比較的お答えし易いです。
Q.2 おススメのサイズはどれですか?
これ正直即答は難しいご質問です...
即答は難しいですが、時間をかけて答えにはたどりつく事は出来ます。
何故なら、どの様なシーンでご使用になるのか?どの様な趣味やお好みをお持ちか?
プレゼントであれば、ご年齢や体格はどの様な方なのか?などなど
人の数だけ個性があるので、時計選びも千差万別
ですからこう回答させて下さい↓
A. 色々とお話させて頂き、その上で最適なモデルを提案させて下さい。
実際に時計屋さんに来て頂くお客様の多くはこれを求めていらっしゃる様に感じるんですよね。
また、それが我々スタッフの役目だとも思っています。
では最後のご質問
Q.3 パネライらしいサイズはどれですか?
はい、これ超難問です(汗笑
正解がないし、それっぽい模範解答もない
置きにいった「人気があるのは44㎜です。」も違う様な…
ある意味永遠のテーマ的なものかもしれません。
ただ、このご質問の背景を考察すると
何故お客様はパネライらしい”サイズ”を知りたがるのだろうと考えました。
パネライらしい”色”でも パネライらしい”デザイン”でもなく何故”サイズ”なのかと?
私なりに、パネライは他のブランド以上にサイズに関するお問合せ、ご質問が多いブランドだと感じます。
これはパネライ自体がサイズというものをひとつのアイコンとしてきたブランドだからではないかと考えます。
パネライとサイズの背景にどの様なものがあるのか、続きを書いていきたいと思います。
4.パネライの歴史から見るサイズ
パネライブランドの歴史についてはこちらにまとめてありますのでご覧ください
パネライの歴史に最初に腕時計が登場するのは1930年代の事。
イタリア海軍に納入された歴史的なラジオミールウォッチの誕生です。
この時のラジオミールは47㎜ほどだったそうです。
1950年代今なおブランドを象徴するアイコンである、半円型のリューズガードを搭載したルミノールウォッチが登場します。
この時のルミノールウォッチも、また47㎜です。
この時点までの情報をまとめると、
パネライのオリジナル(原点)サイズは47㎜という事が見えてきます。
1956年には60㎜というパネライ最大サイズの時計をエジプト海軍に支給しています。
この時計の特徴的なベゼルが現代のサブマーシブルに引き継がれています。
この時代において、パネライが何故ここまでの”規格外”の時計を製造していたのか
そこには”視認性”という理由があると考えます。
特に陸上ではなく、海中での”それ”を求めていった結果、このサイズに行き着いたと想像します。
1993年、パネライは国内外の経済的な理由などから、イタリア軍からの受注が細り経営難となり
その対策として軍用時計のレプリカとして
44㎜のルミノール(写真左)と42㎜のマーレノストゥルム(写真右)を民間向けに販売を開始します。
1997年、上記のレプリカ販売が一つの切っ掛けとなり、パネライのストーリーに魅力を感じた
ヴァンドームグループ(現リシュモングループ)によってその傘下となり、
翌年のSIHHで44㎜のルミノールが世界にデビューする事となります。
なお、ここまでの歴史的プロダクトを記録した書籍をこちらで紹介しています。
1998年に世界にデビューしたパネライウォッチは、その大きさが強烈なインパクトを残したと言われています。
後に日本でも「デカ厚」などと称されていた事からもその様子が伺えます。
実際、90年代中頃の各時計ブランドのモデルのサイズは次の様でした。
・ブライトリング クロノマットが39㎜
・IWC マーク15が38㎜
・オメガ シーマスタープロフェッショナル300が36㎜
どの時計のサイズを見ても40㎜アンダーが主流の時代に
44㎜はどれほどの鮮烈であったか今でも容易く想像できます。
その後、国内外の著名人が着用した事もあり、
画面や誌面などメディア越しにも”それ”と一目でわかる”最大の特徴”から大ブームとなり
2000年代以降の文字通り”ビックサイズトレンド”を牽引していく事となります。
この時からパネライ=大きい つまり
”サイズに特徴のある時計ブランドである”という認識が刷り込まれたのだと思います。
5.パネライのプロダクト史から見るサイズ
1930年代に47㎜という大きな時計として誕生したパネライウォッチのサイズは
そこにマーケティング的な要素は一切なく、軍が求めた要望を具現化した結果によるものでした。
その後、1990年代に市販化し世界に向けてデビューし
マーケティングに基づいた44㎜というサイズをパネライは選択します。
これまでとハッキリ異なる点として、パネライは”イタリアの軍用時計を製造する企業”ではなく、”世界を市場にもつ高級時計ブランド”となった事、
つまり、世界中の顧客に継続して高価な価格で商品を購入してもらう事が求めらる様になります。
その為には未来永劫ルミノール44㎜一択という訳にはいかず、
ブランドとして企業としてのマーケティングによって、多くのプロダクトが生み出されていきます。
ここではそれらを、主にサイズの視点でご紹介していきます。
1998年のデビューイヤーには、特徴的な回転ベゼルを搭載したルミノールサブマ―シブル44㎜が登場します。
同年、20本限定の激レアモデルとして40㎜のラジオミールクロノスプリットセコンドを発表
90年代後期にはルミノールオートマティック40㎜を発表します。
40㎜アンダーが主流であった当時のトレンド背景から誕生したと考えます。
2000年に入り、42㎜のホワイトゴールドケースを採用した ラジオミールゼログラフ(シングルプッシュクロノ)を発表
2001年には、それまで手巻きを主軸としていたルミノール44㎜に自動巻きモデルを発表。
シンプルな3針モデルのPAM00104、
GMT機能のPAM00088
それにパワーリザーブインジケータを搭載したPAM00090を加えた
2000年代パネライを代表するベストセラー御三家がこの時登場。
90年代のデビュー時同様、これらの台頭がパネライ=44㎜を印象付けたと感じます。
2002年 限定30本で発表されたラジオミール38㎜のK18ピンクゴールドケースにオールダイヤセッティングモデル、インデックスまでダイヤモンドがセットされた
煌びやかなコレクションで同時にホワイトゴールドモデルも発表された。ラジオミールで38㎜ケースはこの時を最後に現在まで製造されていません。
2004年に45㎜ステンレスケースを採用したラジオミールブラックシールを発表。
それまでの”ラジオミール=高級・限定”というイメージを払拭する
SSケースのレギュラーモデルという入手難易度も抑えられた事も影響して
ラジオミール=45㎜という印象付けがされたと感じます。
美しい流線形と華奢で繊細なワイヤーラグを採用した当モデルの後継機たちは
今でも人気ラインナップに名を連ねています。
さらに同年、重厚な47㎜ステンレスケースと1000メートル防水の組み合わせが迫力満点な
ルミノールサブマーシブル クロノ1000Mを発表
2006年 パネライ最初の自社ムーブメントP.2002を搭載し
ルミノール誕生の1950年代のケースからインスパイアされた新しいケースデザインである
”1950ケース”
その44㎜のレギュラーモデル PAM00233 ルミノール1950 GMT 8デイズを発表。
この辺りからルミノールのケースデザインの主流が1950ケースへと移り変わっていきます。
2012年にはルミノール発となる42㎜の1950ケースに自動巻きの自社ムーブメントを搭載した
PAM00392を発表(※画像はその後継機PAM01392)
また、同年の限定モデルとして
1940年代には実際に存在していたものの、それまで一度も製品化されなかったラジオミール1940ケースを採用した
ピンクゴールドのPAM000398とステンレスのPAM00399を発表(共に47㎜)
2014年、自社ムーブメントP.4000を搭載した45㎜のラジオミール1940ケース搭載モデルPAM00572を発表
2016年 ルミノール・ドゥエコレクションを発表
初年度から42㎜と45㎜の展開を開始した。
1997年のデビュー以来、”ルミノール” ”ラジオミール”の2カテゴリーだったパネライに
19年ぶりに第3のカテゴリーが追加される事になりました。
2017年 サブマーシブル初の42㎜ラインナップ PAM00682 ルミノールサブマーシブル42を発表
当時はまだ、サブマーシブルはルミノールカテゴリーの傘下モデルでした。
2018年 ルミノールドゥエコレクションに38㎜ケースが追加されました。
自社ムーブメントP.900を開発したことで、他のカテゴリーも含めて
スモールサイズのバリエーションが加速していきます。
そして
2021年、冒頭でもご紹介しました
1950ケースとしては初となるルミノールマリーナ40㎜が発表されました。
現時点では最も新しくラインナップに加わったケースサイズが1950ケースの40㎜という事になります。
主要サイズの展開を年表にすると、この様になります。
これらヒストリーからパネライのサイズを私の主観で次の様に3つのカテゴリーに分類してみました。
1.47㎜ = 第二次世界大戦期に実際に軍事使用された、パネライの元祖ともいえるサイズです。
2.44㎜ 45㎜ = パネライの市販化以降最も長く製造している基盤サイズです。
3.38㎜ 40㎜ 42㎜ = マーケティングによって開発された時代を反映するサイズです。
ただ、大中小と言った様な相対的な見方ではなく、
そのサイズの成り立ちや、背景などを想像して頂くことも
サイズ選びのご参考になってくるのではないでしょうか。
6.パネライのサイズ選び
ここまで、パネライのサイズについていくつかの視点で書いて参りました。
冒頭にもお伝えいたしました通り、本項の目的は正解を導き出す訳ではないの
何かを結論づける事はできません。
ただ、パネライのサイズは、多くの要素によって成り立っていますので、
どの要素に魅力を感じ、共感して頂けたによっても、
これからのサイズの選び方も少し変わってくるのではないでしょうか?
パネライの時計を選んで頂けるなら、サイズもしっかり楽しみながら迷って頂きたい
そしてお客様お一人お一人にとって一番のモデルを選んで頂きたい。
そんな風に思っております。
あと、もうひとつサイズ選びで最も重要なポイントをお伝えします。
それは、”WEBサイトの情報だけでサイズを決めないでください”
画面ではサイズのイメージが難しいです
腕時計は腕に着用して初めて腕時計です。
必ず”ご試着してサイズを確認してください”
実際に腕につけた”感覚”は、画面や活字から得られるイメージとは全く違います。
試着される前の「自分には大きい時計は似合わない…」「小さいパネライはらしくない…」など
と言った先入観が本当に良いパネライ選びの障壁となります。
また「(他ブランドで)持っているサイズと同じだから大体分かる…」と言ったお声もありますが、
実は時計はデザインによって同じ大きさでも本当に感じ方が違いますし、特にパネライはそのギャップが大きいデザインだと感じています。
当店には沢山のパネライをご用意しております。
本物のパネライを体験して頂く為のブティックですので、
ご試着だけでも大歓迎です。
パネライを迷っていらっしゃる方は
是非一度、パネライ名古屋ブティックにご来店下さい。
私、大磯がご案内させて頂きます。
また、事前にサイズに関わる事、その他の事でも結構ですので、ご質問などございましたら、下の【お問合せ】よりお電話、メール、LINEにてご連絡下さい。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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《 パネライ名古屋ブティック 》
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