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				コーアクシャル脱進機:機械式時計の心臓部で革新を起こした技術 機械式時計は、その精緻な動きと美しいデザインで多くの人々を魅了してきました。 
 しかし、その心臓部である「脱進機」には、長年抱える課題がありました。脱進機は、時計の精度を司る重要な部品であり、テンプの振動を一定に保ち、針を動かすためのエネルギーを制御する役割を担っています。  
 しかし、従来の脱進機は、部品同士の摩擦が大きく、潤滑油が劣化しやすいため、定期的なメンテナンスが必要でした。
 また、摩擦の変動が精度に影響を与えるという課題もありました。そこで、1999年に登場したのが「コーアクシャル脱進機」です。  
 イギリスの時計師、ジョージ・ダニエルズによって開発されたこの革新的な脱進機は、従来の脱進機の課題を解決し、機械式時計の新たな可能性を拓きました。コーアクシャル脱進機の最大の特徴は、部品同士の接触面積を減らし、滑り運動を主体とすることで、摩擦を大幅に低減したことです。 
 これにより、潤滑油の劣化を抑え、メンテナンス頻度を減らすことが可能になりました。
 また、摩擦の変動が少ないため、安定した精度を維持することができます。
 さらに、部品同士の接触面積が少ないため、外部からの衝撃にも強いという特徴も持っています。 コーアクシャル脱進機の開発は、決して平坦な道のりではありませんでした。ダニエルズは、長年にわたる研究と試行錯誤の末、1980年に特許を取得しました。 
 しかし、その革新的な構造から、当初は多くの時計メーカーに採用されませんでした。 転機が訪れたのは、1999年です。オメガが初めてコーアクシャル脱進機を搭載した時計を発表し、その優れた性能が広く知られるようになりました。 
 その後、多くの時計メーカーがコーアクシャル脱進機を採用し、機械式時計の新たなスタンダードとして確立されました。コーアクシャル脱進機は、機械式時計の進化に大きな影響を与えました。 
 メンテナンス頻度の減少、精度の向上、耐衝撃性の強化など、多くのメリットをもたらしました。
 しかし、部品点数が多いため、製造コストが高いというデメリットもあります。また、修理には専門的な知識と技術が必要となります。コーアクシャル脱進機は、機械式時計の未来を拓く技術として、今後も発展していくことが期待されます。新たな素材や構造の研究が進められ、さらなる高性能化が実現するかもしれません。また、コーアクシャル脱進機以外の新しい脱進機の開発も進められており、機械式時計の世界はますます進化を続けています。 オメガコーアクシャル脱進機の進化に関するブログはこちらもご覧ください。↓↓ コーアクシャル脱進機は、機械式時計の心臓部で革新を起こした技術であり、その登場は、機械式時計の新たな時代を告げる出来事でした。 この記事を書いた人  最後まで読んでくださりありがとうございます。 
 TANAKA久屋大通店の大西です。
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