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1.はじめに
オメガのスピードマスターは、世界初の月面着陸時計として知られる時計史に残る名作です。
その中でも、特にスポーティで洗練されたデザインとカラーリングが魅力的なのが「スピードマスター レーシング」です。
では、そのスピードマスター レーシングは、多くのバリエーションを展開するスピードマスターコレクションの他のモデルと比べてどのような特徴や魅力があるのでしょうか。
この記事では、スピードマスター レーシングの誕生と歴史、現行モデルのおすすめポイントなどについて詳しく解説いたします。
スピードマスター レーシングの購入を検討中の方はもちろん、オメガの他のモデルやロレックスなどの他ブランドと迷っている方にとって、後悔しない時計選びをするためのご参考になれば幸いです。
是非、最後までお付き合いくださいませ。2.スピードマスター レーシングの誕生と初期モデル
スピードマスター レーシングのルーツは、スピードマスターの誕生と同じく、1957
年に発売された初代スピードマスターに遡ります。
当時、オメガは、プロフェッショナルラインとして、シーマスター300(ダイバーズウォッチ)、レイルマスター(耐磁ウォッチ) 、スピードマスター(クロノグラフウォッチ)の3つのモデルを発 表しました。
これらは、それぞれ特定の分野や職業に特化した機能性を持った時計でした。
その中でもスピードマスターは、当時最高の防水性能と高い耐磁性能を備えたシーマスター 300をベースに、当初からレーシングドライバー用のプロフェッショナルモデルとして開発されたもので、ダイヤルの外側にタキメーター( 速度計測用の目盛り)を備えたベゼルを採用していました。
これにより、ドライバーは、時計の秒針とタキメーターを見比べることで、自分の走行速度を簡単に計算できるようになったのです。
その内部にはレマニア社製の手巻きムーブメントCal.321(毎時18,000振動)を搭載しており、高い精度と信頼性を誇りました。初代スピードマスター
Ref.CK2915スピードマスターのムーブメントは、1968年にはCal.321からCal.861へとムーブメントが変更されました。
Cal.861は、毎時21,600振動に引き上げられた振動数と、コラムホイールからハートカムに簡略化されたクロノグラフ機構により、生産性と耐久性が向上しました。
このタイミングでRef.145.022-68(第5世代)の派生モデルとして、“レーシング”ダイヤルを搭載した最初のスピードマスターが登場したと考えられています。
このモデルは、スピードマスターの標準的なブラック文字盤ではなく、その代わりにオレンジ色のクロノグラフ針が付いたグレーダイヤルが採用されていました。
スモールセコンド用のインダイヤルと針はホワイト、クロノグラフ機能の針はオレンジで表示されたこのモデルはコレクターの間でも大変な人気だそうです。
現行モデルにも採用されている「レーシングダイヤル」モノクロのチェッカーフラッグのようなミニッツトラックが個性的です。初代スピードマスター “レーシング”
Ref.145.022-68
余談ですが、1970年代になると、Ref.145.014「スピードマスター マークII」という全く新しいこれまでにないデザインのモデルが登場しました。
スピードマスター マークIIは、当時としてはユニークな曲面型のトノー型ケースとインベゼルにタキメータースケールを埋め込んだデザインが特徴でした。
このモデルにも、オレンジとグレーのカラーリングが施されたレーシングダイヤルと呼ばれるバージョンが存在しました。スピードマスター・マークII
“レーシングダイヤル”
Ref.145.0143.近年のスピードマスター レーシング
1990年代には、スピードマスター レーシングのデザインが大きく変わりました。
この時期のモデルは、ムーブメントにはETA社製の自動巻きキャリバーにクロノグラフモジュールを追加したものが採用され、ケースは丸みを帯びた形になり、ダイヤルにはレッド、イエロー、ブルーなどのカラフルなカラーが採用され始めます。その中でも特に印象的なのは、ビビッドな赤文字盤の「スピードマスターレーシング “ミハエル・シューマッハ”」です。
このモデルは、ご存じの方も多いのではないでしょうか。スピードマスターレーシング
“ミハエル・シューマッハ”
Ref.3510.61.00その名のとおり、カーレースの最高峰であるF1史にその名を刻むドイツ人元F1ドライバー“ミハエル・シューマッハ”へのオマージュとして製作されたスペシャルエディションです。
彼は1995年にオメガと契約を交わしアンバサダーに就任、それまでのF1チーム、ジョーダン・ベネトンからフェラーリに移籍した96年にこのモデルがリリースされました。2000年代以降は、スピードマスター レーシングのラインナップが拡充されました。
この時期のモデルは、ケースのサイズや素材、ダイヤルのカラーやデザイン、ムーブメントの仕様など、さまざまなバリエーションがありました。
例えば、ケースはステンレススチールやチタン、18Kゴールド、セラミックなどが使われ、ダイヤルは黒や白、グレー、ブルー、イエローなど数多くのカラーバリエーションがありました。
ラバーストラップモデルが追加されて精悍さを増したスピードマスターレーシングは、モータースポーツとの関連性がより印象付けられました。スピードマスターレーシング
Ref.326.32.40.50.06.001また、ムーブメントも、自動巻きのCal.3330などが搭載され、これらのムーブメントはオメガのコーアクシャル脱進機やシリコン製ひげゼンマイなどの最新の技術を取り入れたものでした。
4.スピードマスター レーシングの現行モデルと魅力
スピードマスター レーシングは、現在でもオメガのコレクションとして継続しており、最新の技術や素材を取り入れながら、伝統的なデザインを受け継いでいます。
現行スピードマスターレーシング
Ref.ケースサイズは直径44.25mm、厚さ14.9mmと、スピードマスターの中では少し大きめで手首の上では存在感を放ちます。
タキメータースケールを備えたブラックのセラミック製ベゼルがひときわ目を引きます。
その目盛りはホワイトエナメル加工が施されており、ベゼル全体が一際美しい輝きを放っています。
文字盤は初代レーシングからのチェッカーフラッグをイメージしたミニッツトラックが入ったダイヤルが特徴的です。
前述のとおりこの文字盤のデザインとオレンジのアクセントは、1968年に発表された初代モデルに由来しています。キャリバー9900
このモデルには、オメガのマニュファクチュール製キャリバー9900が搭載されています。
METAS認定を受けたこの自動巻きクロノグラフ・ムーブメントは、60時間のパワーリザーブと、15.000ガウスまでの耐磁性を備えています。
そして、サファイアクリスタルのケースバックから、その美しいムーブメントを眺めて楽しむことができます。サファイアクリスタルのケースバック
2カウンタークロノグラフに6時位置のデイト表示というレイアウトが、プロフェッショナルシリーズとはまた違った魅力を感じさせます。
現行レーシングのダイヤルカラーは、上の写真のホワイト文字盤以外にも、ブラックやグレーが存在します。現行スピードマスターレーシング
その他のダイヤルバリエーション左)Ref.329.30.44.51.01.001
中)Ref.329.30.44.51.01.002
右)Ref.329.30.44.51.06.001どのダイヤルカラーをチョイスするか、とても迷ってしまいますよね。
ご参考までに、当店の一番人気のダイヤルカラーは「パンダ」と呼ばれるホワイトダイヤルです。
ロレックスのデイトナやゼニスのクロノマスタースポーツ同様、ブラックベゼルにパンダの組み合わせには、やはり人気が集中するようです。
ただし、ダイヤルカラーについては、お客様のスタイルや身に着けるアイテムによって相性がありますので、店頭でご試着の上お選びいただくことをお勧めいたします。ライダースジャケットの袖口に
出典:「HODINKEE 」
◆OMEGA「スピードマスターレーシング」
Ref. ケース径:44.25mm
ケース素材:ステンレススチール
風防:サファイヤクリスタル
裏蓋:サファイヤクリスタル
防水性能:5気圧(50m)
パワーリザーブ:60時間
自動巻きキャリバー9900搭載
価格:1,474,000円(2024年1月現在)5.まとめ
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
この記事では、オメガのスピードマスター レーシングの歴史や特徴、最新モデルの魅力などをご紹介しました。
オメガのスピードマスターと言えば、プロフェッショナルシリーズがとても有名ですが、実はレーシングコレクションもそれに負けず劣らずの歴史ある名作だと言えます。
スピードマスター レーシングは、スピードマスターの中でもダイナミックでスポーティなデザインが魅力的です。
そして、そのコンセプトはカーレースなどの過酷な環境下での耐久性を備えたハイパフォーマンスモデルです。
スピードマスター レーシングは、まさにその名のとおりモータースポーツやレーシングドライバーにインスパイアされたオメガのスピードマスターの中でも個性的で魅力的なコレクションです。
普通のスピードマスターではなく、人と被らない個性的なスピードマスターを手に入れたいという方にはピッタリの選択になるはずです。
もし、このモデルに興味を持たれた方は、TANAKA久屋大通店で、ぜひ実機をお手に取ってみてください。
きっと、そのアグレッシブなデザインと実用性に心惹かれることになるでしょう!今後もスピードマスターレーシングについて新しい情報が届きましたら、こちらのブログでお伝えできればと思います。
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