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Staff bBog

ポルトギーゼ・クロノグラフを深掘りする。

TANAKAウォッチギャラリー久屋大通店では只今IWCフェアを開催中です。
当フェアの中でも、やはり一番の注目を集めている不動の人気モデル「ポルトギーゼ・クロノグラフ」

 

今日はポルトギーゼ・クロノグラフについて私なりに少し深堀をしてみたいと思います。

ポルトギーゼ・クロノグラフの魅力

 

1998年の登場以来、20年以上に渡りIWCのブランドの枠を飛び越えて時計史に残るロングセラーモデルとなった
「ポルトギーゼ・クロノグラフ」

まずはその魅力を主観も交えて挙げてみます。

 

・20年以上変わらない普遍的なベースデザイン

 

視認性の高い文字盤

 

・立体的に膨らみを持たせたリーフ針とインデックス

 

・40.9㎜という絶妙に計算されたバランスの良いケースサイズ

 

・日付表示がなくシンプル

 

・非常に薄いベゼルが上品

 

・12時と6時に配置されたツーカウンターがクラシカルな雰囲気

 

などなど

 

とキリがないのですが、

私は最後に挙げた、ポルトギーゼ・クロノグラフを象徴するデザインである
12時と6時のツーカウンター、中でもこれを構成する重要な要素である”6時位置に配置されたスモールセコンド”に注目します。

6時位置のスモールセコンド

 

IWCの歴史を振り返ると1939年にポルトギーゼと名付けられたモデルが登場します。
2人のポルトガル商人の依頼により制作されたこの時計は
当時としては大型で視認性が高く、6時位置にスモールセコンドを採用したものでした。


1939年のポルトギーゼ REF:325

 

 

IWCが1998年にポルトギーゼ・クロノグラフを発表する際にも、
この歴史に裏打ちされた6時位置のスモールセコンドというポルトギーゼのアイデンティティを採用した事は納得できます。

 

ただこの6時位置のスモールセコンドは
当時のスイス時計製造のセオリーからすると、実は決して容易なものとは言えませんでした。

 

1990年代はスイスの時計メーカーの実に8割がエボーシュと呼ばれる汎用ムーブメントをベースにした機械を自社の時計に搭載するエタブリスール※という製造手法を採用していたと言われ、その代表的エボーシュのひとつがcal.7750と呼ばれる多くの代表的なクロノグラフモデルのベースに採用されたムーブメントでした。

 

※エタブリスール=供給パーツによる時計組み立てを行う手法で、それに対して自社一貫で製造組み立てを行う手法をマニュファクチュールと呼びます。

 

ポルトギーゼ・クロノグラフも例外ではなく、これをベースとしたムーブメントを搭載しています。
ただ、他の搭載機と決定的に違う点があり、それこそが6時位置のスモールセコンドです。

 

Cal.7750の基本設計は
9時位置にスモールセコンドがあり、12時と6時にそれぞれ分・時の積算を持った3カウンタークロノグラフです。


cal.7750ベースのブライトリングの名作クロノグラフ「クロノマットエボリューション」

 

 

機械式時計のムーブメントはリューズとの位置関係から
複雑な調整なくして配置を変える事は出来ず、またその必要性すらないと考えるメーカーもあったと思います。

 

少し歴史に目を向けると、IWCは1970年代に起こったクォーツショック等によって経営が傾きます。
後に時計史に名を残すIWCの設計者「クルト・クラウス」は経営難により仕事が減ったその空き時間を使って
元々あった汎用ムーブメントにムーンフェイズを載せるモジュール化のアイデアを進めました。

 

このアイデアが切っ掛けとなり誕生したのが、彼の代表作である
永久カレンダーとクロノグラフを搭載した「ダヴィンチ」です。
西暦2499年までを表示でき、リューズ一つですべての操作が行える
画期的な永久カレンダーモデルもcal.7750をベースに設計されているというから驚きです。


1985年の「ダヴィンチ」4桁の西暦表示も他にはない特徴だった。

 

 

IWCは伝統的にエボーシュを自在にアレンジする高い技術力を要していたことで
cal.7750の基本設計である9時位置のスモールセコンドを6時に転移させることが可能となったのです。

 

結果だけを見ると、ほんの数センチのスモールセコンドを動かしただけに見えるこの事実は
IWCの持つエボーシュをアレンジする技術力と、ポルトギーゼのアイデンティティを体現させるという情熱の
双方をなくしては実現できなかったと私は思います。

 

ポルトギーゼ・クロノグラフは
昨年2018年で20年を迎え、IWCの創業150周年とも重なり記念モデルを発表しました。


2018年に限定発売された、IW371601  ポルトギーゼクロノグラフ150イヤーズ

 

 

こちらのモデルは大変ご好評につき完売しましたが
従来のレギュラーモデルとの違いの一つに
自社開発ムーブメントcal.69355を搭載している事が挙げられます。

 

cal.69355はIWCの69000系ムーブメントの一つで
その特徴のひとつに、やはりクロノグラフムーブメントでありながら
6時位置にスモールセコンドを配置している事が挙げられます。
69000系の基本は縦型の3カウンターですが、ポルトギーゼ・クロノグラフの最大の特徴である
12時、6時のツーカウンターを表現するため、あえて9時の積算計を省いています。

ただ、記念すべき限定モデルとは言え従来のムーブメントから新たに開発した自社ムーブメントを搭載した
理由には、単なるレギュラーとの差別化だけではないもう一つの理由が存在すると考えます。

2020年問題

 

来年2020年にスイス時計産業は大きな問題に直面します。
正確には既に直面している大きな問題に各メーカーが対策に取り組んでいます。

 

要約するとcal.7750を始め多くのエボーシュを生産するETA社を傘下に収めるスウォッチグループが
2020年1月1日にエボーシュの供給を停止すると発表しました。

 

この決定までには紆余曲折あり、本項では割愛しますが
当初2002年にこれを発表した事で、ETAに依存していたスイス時計業界は生産の体制の見直しを余儀なくされ
資本力・技術力のあるメーカーの自社開発化を推し進める結果となり、
IWCもその例外ではありませんでした。

 

少し余談ですが、以前に「ETA(エタ)とエタブリスールは似てますが語源は一緒ですか?」とご質問を頂いた事があります。

確かにエボーシュを供給するメーカーとそれを採用する手法なので関係がありそうですよね?

その答えはそれぞれをスペルに直すと見えてきます。ETAはその正式社名を「ETA SA Manufacture Horlogère Suisse」となります。それに対してエタブリスールは「Establisseur」と書きます。どちらもカタカナにするとエタと”エタ”ブリスールですが、語源は異なる様です。偶然の一致という事なのでしょう。

 

本題に戻ります。

IWCは2000年以降から自社ムーブメント開発に力を注ぎ、
手巻き8日間のパワーリザーブを要する58000系や
ペラトン自動巻き機構と2バレル構造による7日間パワーリザーブの52000系
フライバッククロノグラフ専用機で12時位置に分・時の積算を同軸上に持つ89000系など
代表的なムーブメントを次々と発表しました。

手巻き8日間パワーリザーブの58000系を搭載する「ポートフィノ・ハンドワインド・エイトデイズ」

ペラトン自動巻き機構と7日間のパワーリザーブを要する52000系を搭載する「ポルトギーゼ・オートマティック」

同軸上に分・時の積算計を持つフライバック専用機89000系を搭載する「ポルトギーゼ・ヨットクラブ・クロノグラフ」

 

 

長らく、cal.7750をベースに高い技術力でアレンジしたムーブメントを搭載してきたポルトギーゼ・クロノグラフも
69000系へシフトするのでは?という予想や噂も専門誌や愛好家の方などからも聞こえてきます。

 

IWCがどのような選択をするにせよ、cal.69355の存在が
20年以上続けた12時積算・6時スモールセコンドのツーカウンターという、
黄金配置ともいえるこのベースデザインを今後も継続するという姿勢を示した様に感じます。

不動の人気モデル「ポルトギーゼ・クロノグラフ」は
人気故に、多くを語らずとも情報が独り歩きしてしまうほどの傑作モデルですが
改めて、向き合ってみると意外な発見があるように思います。

 

8月31日までIWCフェアを開催しておりますので、
皆様も是非、TANAKAウォッチギャラリー久屋大通店で
ポルトギーゼ・クロノグラフの魅力を体感していただけたら嬉しいです。

TANAKA 大磯

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