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【IWC】パイロット・ウォッチ・マークXXの魅力を紐解く_時計好きが辿り着く究極のツールウォッチ「究極にシンプルで、最高にかっこいい時計」を探していくと、多くの時計好きの方が辿りつく答えがあります。それが、IWCの「パイロット・ウォッチ・マークXX(トゥエンティ)」です。
余計な装飾省いた潔いデザインには、見る人を引きつける力強さが宿っています。「いつかこの時計が似合う大人になりたい」―そう思わせてくれる特別な魅力がある一品です。

しかしながら、この時計に出会ったとき、「なぜXX(20)という数字がついているの?」「そもそも『マーク』ってどういう意味?」と不思議に思う方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんな名作に隠された歴史をひもときながら、世界中で愛され続ける理由を解説します。ぜひ最後までお楽しみください。
歴代モデルの変遷
1948年の誕生以来、IWCの「マーク」シリーズは軍用時計にルーツを持つ「究極の実用時計」として、その地位を確立してきました。 シンプルなデザインと高い機能性を守り続け、「マークXX」で第7世代になります。それでは、「マーク」シリーズの誕生から現在に至るまでの進化の軌跡を詳しく解説していきます。マーク11 1948~

1948年に英国王立空軍の要請によって「マーク11」は誕生しました。
当時の飛行機のコックピット内は、レーダーや電子機器から発せられる強力な磁気に満ちており、時計の精度を狂わせる大きな要因となっていました。
そのためIWCは軟鉄製インナーケースによる耐磁構造を採用。ムーブメントを軟鉄製のケースで包み込み、磁力を外へ逃がすこの画期的な仕組みは、マークⅩⅧまで続くマークシリーズのアイデンティティとなります。
ムーブメントは、伝説的なエンジニア、アルバート・ペラトンが初めて設計した「キャリバー89」を搭載しています。軍用規格をクリアするための堅牢性と高精度を兼ね備えた名機です。
文字盤には英国政府の所有物であることを示す「ブロードアロー」が刻まれており、当時は一般販売されない「プロのための備品」でした。
なぜマークシリーズは11から?
「マーク」シリーズが11から始まる理由は、英国軍が規格番号としてこの時計を「マーク11」と名付けたからです。以降のモデルは、このマーク11をたたえて、マークⅫ、マークⅩⅤ…と番号がつけられていきました。マーク11以前にもIWCが英国軍に供給していたパイロットウォッチが存在するため、それらを通称としてマークⅩ、マークⅨと呼ぶこともあるそうです。
ちなみにマーク11が「マークⅪ」ではなくアラビア数字なのは、当時ローマ数字は敵国語であるして国が使用を禁止していたという歴史的背景があります。マークXII 1994~

創立125周年である1993年の翌年、マークXIの後継機であるマークⅫが発売されました。文字盤の6時位置には「MARK XII」の文字が表記され、以降のモデルにも受け継がれています。また、ジャガー・ルクルト製の自動巻きムーブメントを搭載していることでも有名です。雲上ブランドにムーブメントを提供してきた歴史のあるジャガー・ルクルト。そのムーブメントが搭載されているということで人気が高いモデルです。ケース径:36mm
マークXV 2000〜
マークⅫの後継機として登場したのがマークⅩⅤです。なお、13と14は諸外国の文化において「不吉な数字(忌み数)」とされるため、欠番となっています。
ケース径は現代的な38mmへと大型化。ムーブメントにはメンテナンス性に優れたETAベースの「キャリバー30110」を採用しました。
マークXVI 2006〜
ケース径がさらに1mmアップし39mmへサイズアップしています。特筆すべきは「針」の形状の変化です。視認性をさらに高めるために太く力強いデザインとなり、この特徴的な針は現行のマークXXまで引き継がれる象徴的な意匠となりました。
マークXVII 2011~

シリーズ最大サイズとなる41mm径。最大の特徴は、コックピットの高度計を彷彿とさせる「扇型の日付窓」です。前後1日の日付まで見えるこの特殊な意匠は、マークシリーズの中でも特に個性的で、モダンな印象を与えます。
マークXVIII 2016~

ケース径を40mmに抑え、日付窓の形状もシンプルに戻すという「原点回帰」を果たしたモデル。
マークXX 2022年~

そして現在の「マークXX」です。
一見するとマークXⅧを踏襲したクラシカルな美しさを保っていますが、その内部は劇的な進化を遂げています。
自社キャリバー Cal.32111を搭載して、120時間(5日間)のロングパワーリザーブを実現しました。
本作では伝統的な軟鉄製インナーケースをあえて廃止し、脱進機にシリコン製パーツを採用しています。パーツ自体に耐磁性を持たせることで、磁気への強さを維持しつつ、より薄く、よりスマートな装着感を実現しました。なぜ「マークXX」が選ばれるのか
-機能美の極致、マークXXの真髄-
軍用時計をルーツとする「マークXX」は、一見すると無駄を削ぎ落としたシンプルな時計ですが、その細部にはIWCのこだわり抜いた「機能美」が宿っています。

特筆すべきは、ベゼルと一体化したケース構造です。継ぎ目を減らし堅牢性を高めたこの設計は、パイロットウォッチとしての信頼性を象徴しています。一方で、細部の仕上げには高級時計らしい面取りが施され、「サテン(艶消し)」と「ポリッシュ(鏡面)」を巧みに使い分けることで、光の反射による美しい立体感を生み出しています。このケースは機能と美しさを両立した設計であるといえます。
文字盤は、落ち着いた「マットブラック」や、光が放射状に広がる「サンブラッシュ仕上げ」のブルー・グリーンを展開しています。どの仕上げも非常に繊細で、実物を目にすると、その奥深い質感にぐっと引き込まれるような感覚を覚えるはずです。この土台があるからこそ、ホワイトのアラビアインデックスやミニッツトラックとのコントラストが際立ち、「瞬時に時刻を読み取る」という究極の視認性を実現しています。


-あらゆるシーンに寄り添う万能さ-スーツの袖口にスマートに収まり、週末のカジュアルな装いには品格を与えてくれます。日本人の腕にも馴染みやすい「収まりの良いケースサイズ」は、決して主張しすぎることなく、それでいて確かな存在感を放ちます。


また、現代のライフスタイルに嬉しいのが「クイックチェンジシステム」の採用です。工具を使わず、簡単にストラップを付け替えられるため、日中の仕事はメタルブレスレットでアクティブに、夜はレザーベルトに替えてクラシックな装いでディナーへ、といった使い分けができます。この万能さこそが多くのファンに愛される理由です。
-歴史が磨き上げた「究極のツールウォッチ」-
マークシリーズの歴史は、常に「実用性の追求」と共にありました。 興味深いのは、初代モデルの形を守り続けることだけがIWCにとって正解ではないという点です。より見やすく、より使いやすくというその信念のもと、視認性を高めるために針の形状を進化させ、耐磁性を高めるために「軟鉄製インナーケース」から最新の「シリコン製パーツ」へと舵を切ってきました。
すべての変化は、「最高のツールウォッチ」であり続けるため。 マークXXを身に纏うということは、長い歴史の中で磨き上げられた「機能美の到達点」を身に着けることに他なりません。
まとめ
IWCの「マークXX」は、軍用時計として始まった実用性の歴史と、現代の洗練された美意識が見事に融合した一本です。
一切の無駄を省き、より見やすく、より使いやすく進化を続けてきたその姿は、単なる時計を超えた「究極のツールウォッチ」といえます。ビジネスからカジュアルまで、あらゆるシーンを網羅する汎用性はあなたの心強い相棒となってくれるはずです。
歴史という裏付けを持ち、時代に合わせて磨き上げられたこの機能美を、ぜひその目でお確かめください。IWC 名古屋 ブティックでは、専門スタッフがあなたにぴったりの時計選びを丁寧にお手伝いいたします。実機に触れ、その質感や装着感を確かめながら、一生を共にする特別な一台を見つけてください。
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