- 
				 
 【PANERAI】シースルーバックについてパネライ名古屋ブティックの大磯です。 さっそくですが、本日はシースルーバックについて書いてみようと思います。  はじめにシースルーバックとは 
 バックスケルトンや裏スケ、正式(?)にはトランスパラントケースバックなど
 呼び方は様々ではありますが
 時計のケース背面にガラスをはめ込み
 ムーブメントが見える仕様の事を指します。
  
 ※本項では市民権を得ているであろう「シースルーバック」と呼ぶことにします。実はこの仕様、パネライでは 
 昨年2021年の新作モデルから一部ゴールドモデルを除いては
 下の写真のようなクローズドバック(ケース背面を裏蓋で閉じている)に
 仕様変更されています。
  昨年、お客様からも 
 「シースルーバックが何故なくなったのか?」といった
 お問合せも急増しております。
  もちろん”何故?”無くなったのか? 
 メーカーであるパネライはその理由を開示していない為、
 その真意を知ることはできません。(というより、どんな仕様変更でも 
 その理由を明示する時計ブランドは逆に無いと思いますが…)それでも、このタイミングで私なりに、 
 その理由について考えてみたいと思います。シースルーバックの始まりについてまず、何故シースルーバックがなくなったのか? つまり”終わり”を考えるうえで 
 視点を変え、逆にその”始まり”から探ってみようと思います。
  
 時計業界にシースルーバックが普及し始めたのは
 1990年代頃であり
 パネライについても
 1998年に世界デビューした時点のプロダクトは
 まだ、シースルーバックになっておらず、
 裏蓋を閉じたクローズドバックでした。 その後、2000年代前半ごろから、 
 一部の限定モデルや、特別なムーブメントを搭載したハイプライスのモデルに
 シースルーバックが採用されるようになっていきます。 意外にもパネライのシースルーバックの歴史は20年程となります。 この背景については、 
 それまでなかった、
 機械を見せるという発想が生まれた事や、それを実現する技術の登場など
 さまざまな要因があると思いますが、
 パネライがプロダクトにシースルーバックを採用した目的に
 ”視覚による差別化”があったと考えます。
  それはレギュラーモデルとの差別化や、一般ムーヴメントとの差別化など 
 当時として新しいトレンドであった”機械を見せる”という仕様を
 限定的に採用する事で、そこに特別感を演出したかったのではないか?と思います。その後、パネライは2005年頃から 
 急速にシースルーバックを採用したモデルが増えていきます。大きな流れと共に普及したシースルーバック 実は、2005年からシースルーバックと共に 
 パネライで急増したもう一つの”流れ”が存在しています。それは、「マニュファクチュール化」 
 つまり、自社ムーブメントを採用したモデルが急増し始めた事でした。この背景には 
 1990年代から2000年代当時の時計業界は
 自社でムーブメントを開発するブランドはほんの一握りで
 そのほとんどは、エボーシュと呼ばれる、他社から供給を受けたムーブメントを
 プロダクトに採用していました。
  そのエボーシュの内、大きなシェアを持っていたETA社があり、 
 そのETA社それを参加に納めるスウォッチグループが
 2002年に「エボーシュのスォッチグループ以外への供給を2010年までに停止する」
 と発表した、いわゆる「ETA2010年問題」が起こります。各ブランドは自社でのムーブメント開発を余儀なくされます。 
 パネライも例外ではなく、
 その発表同年に自社工場「パネライマニュファクチュール」をスイス・ヌーシャテルに設立し、
 自社ムーブメントの開発に着手、
 3年後の2005年に初の自社ムーブメントを搭載したモデルを発表しています。
  この時に、自社ムーブメントを搭載したモデルに採用したケースバックの仕様も 
 やはり「シースルーバック」でした。
 ここに込められたメッセージも、やはり差別化で、
 それは何よりエボーシュとの差別化を図る明確な目的があったと考えます。その後、実用機でも自社ムーブメントを発表し、 
 2000年代後半にはエボーシュと自社ムーブメントは
 5:5程の割合となり、
 2010年代には、自社ムーブメントの割合はどんどん増えていき、
 シースルーバックも比例して増えていきました。 さらに、2010年代後期には 
 それまで、自社ムーブメントで対応できていなかった
 エントリープライスゾーンやスモールサイズのモデルにも
 自社ムーブメントを搭載し
 2020年を迎えるまでにパネライは「完全自社化」を成功させました。 これにより、これまでシースルーバックが担っていた、 
 エボーシュとの差別化という部分では、
 全てが自社ムーブメントとなった事でその役割を終えたと考えたパネライは
 2021年からあえてクローズドバックをプロダクトの中心とする決断をしたのだと
 私は思います。また、一部ゴールドモデルなどは、その仕様を継続しており、 
 これは2000年代初期の仕様である一部のハイプライスモデルだけに
 シースルーバックを採用する当初のマーケティングのリバイバルと考えます。 シースルーバックはトレンドだった?…とはいえ、”シースルーバック ロス”を感じるファンの方もいらっしゃいます。  
 シースルーバックは2000年~2020年代までの”ひとつのトレンド”であったという事実も存在し、
 それ以前からのベテランの時計ファンの方に中には、
 「昔に戻っただけで特に何もないよ」といったご意見もあります。
  シースルーバックは機械式時計にとって普遍的な”マストの要素”という訳ではなく 
 どの時代のプロダクトを最初に見ているか?
 といった、世代の価値観による違いが、
 ロスを感じるかどうかの違いになっていると感じます。パネライも、恐らくこのロスは想定済みだと思いますが 
 それでも、この先クローズドバックによるプロダクトという決断した訳ですから一つの時代を担ったトレンドを自ら終わらせる事で、 
 新しい時代に向けたプロダクト展開を進めていこうとする姿勢を強く感じています。シースルーバックを良しとするか否かは、 
 上記の通り、個人の価値観によるものなので、
 何かを結論づけて本項の結びとする事が出来ませんが、
 シースルーバックについて新しい視点をもって頂くと
 それも面白いのかなと思っております。2025年シースルーバックが復活!?(※この項は2025年5月に追記しました。) 
 先述のように、2020年代に入り、シースルーバックから遠のいていたパネライですが2025年4月の新作ルミノールマリーナからシースルーバックを復活させ 
 その上で防水性をそれまでの300メートルから一気に500メートルへアップさせました。
  これを書いている2025年5月の時点では 
 シースルーバックを待ち望んだお客様から既に多くの、
 問い合わせを頂いており、すでに納品させていただいた方からが
 ご好評をいただいています。これが今後どのように、他のモデルをはじめ 
 パネライ全体に影響してくるのか?さらにファンの反応は?
 今後が楽しみですね。最後までお読みいただきありがとうございました。 ******************************************  お問合せは お問合せは
 ・お電話:052-951-8111パネライ名古屋ブティック 基本情報 住所 愛知県名古屋市中区丸の内3-19-12 
 久屋パークサイドビル1F営業時間 12:00~19:00 定休日 水曜日定休 ※祝日の水曜は営業 アクセス 市営地下鉄 桜通線・名城線 久屋大通駅 北改札口2A出口前 駐車場 セントラルパーク駐車場(チケット有り) 電話でのお問い合わせ 052-951-8111 メールでのお問い合わせ お問い合わせはこちらをクリック この記事の筆者 大磯努 
 -Profile-  大磯 努(おおいそ つとむ) 
 TSUTOMU OISOパネライ名古屋ブティック マネージャー 2011年、日本で2番目のブティックとして 
 名古屋ブティックがオープンした際に
 スタッフとして入社。
 2018年より現職。愛用時計はパネライPAM00233 他 
 趣味は スキー、トレッキング、ガーデニング======================== prev.2022.01.07 next.2022.01.07 取り扱い店舗STORE LOCATION 関連記事RELATED POST 
- 
				
								
				CATEGORY 記事カテゴリ一覧- 
								
									スタッフ- 中平 唯(なかひらゆい)
- 保利 美里(ほりみさと)
- 土田 庄真(つちだしょうま)
- 青木 翔太(あおきしょうた)
- 池田 匠(いけだたくみ)
- 伊藤 浩昭 (いとうひろあき)
- 岩崎 正道(いわさきまさみち)
- 大磯 努(おおいそつとむ)
- 大西 真由(おおにしまゆ)
- 下前 賢史(しもまえけんし)
- 杉浦 昂季(すぎうらたかき)
- 春原ひで美(すのはらひでみ)
- 高瀬 大知(たかせだいち)
- 武知 雄大(たけちゆうだい)
- 田中 美咲(たなかみさき)
- 土本 颯(つちもとはやて)
- 寺澤 舞結子(てらざわまゆこ)
- 中西 孝承(なかにしたかよし)
- 丹羽 一仁(にわかずひと)
- 橋爪 彼方(はしづめかなた)
- 原 明日香(はらあすか)
- 矢野 綾子(やのあやこ)
 
 
- 
								
									
 
						






















 
						 
									 
										 
										 
										