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【保存版】パネライとイタリア海軍の史実—特殊潜水艇作戦を支えた軍用時計の軌跡こんにちは。パネライ名古屋ブティックの大磯です。
ラグジュアリースポーツウォッチとして時計好きの心を掴んで離さないパネライ。
店頭で製品を手にとる機会の多い私たちがその魅力を紐解くとき、
避けて通れないのが「イタリア海軍特殊部隊の運用に応えるべく開発された、
完全非売品の極秘軍事計測機器」という原点です。本日は、パネライ製品のご紹介ではなく、パネライのバックボーンにある
イタリア海軍のミリタリーウォッチ であるというストーリーを
一般的な製品カタログだけでは語りきれないミリタリー仕様、過酷な実戦の地名、
そして1993年の軍事機密解除の史実について、残された記録や資料をもとにまとめました。ロレックスとの供給関係:「Ref. 2533」とCortebert(コルトベール)製ムーブメント

ラジオミール最初期のプロトタイプ「Ref. 2533」。1936年10月24日にロレックスからパネライへ最初のケースおよびムーブメントが納品された記録が残されており、
この時期から開発が本格化したと見られています。当時のパネライは製造基盤をロレックスからのOEM供給に依存していたことがうかがえます。-
ムーブメント「Cal. 618」の構造
当時ロレックスがパネライへ供給した「Cal. 618」は、スイス・コルトベール(Cortebert)社製の「Cal. 526」(16リーニュ/懐中時計用ムーブメント)がベースとされています。
これをロレックスが手巻き15石/毎時18,000振動の軍用耐震仕様へ改修し、パネライへ納品していた記録が示されています。 -
初期型の課題「溶接式ワイヤーループラグ」
「Ref. 2533」や量産型「Ref. 3646」のラグは、ケース本体に直接ハンダ付け(溶接)された金属線のワイヤーループでした。
しかし海中作戦での破損が課題となり、1950年代(Ref. 6152/1など)にケース一体型の切削ラグ構造へと変更された経緯が伝えられています。
実用性重視の「サンドイッチ構造」と「アノニマス・ダイアル」

① 「ラジウム」塗料とサンドイッチ構造
初期ラジオミールの文字盤は、くり抜き加工を施した上部文字盤とベース板の間に、
自発光塗料「ラジオミール(ラジウム226と硫化亜鉛の混合粉末)」を満たしたシートを挟み込む
「サンドイッチ文字盤(Sandwich Dial)」が採用されていました。
水深数十メートルの暗所における視認性を確保する設計であり、
現存するヴィンテージのRef. 3646は放射線測定器(ガイガーカウンター)に
反応することが確認されています。② 防諜目的の「アノニマス(無地)ダイアル」
第二次世界大戦中、ナチス・ドイツ軍の特殊潜水部隊「カンプシュヴィマー(Kampfschwimmer)」にも
ラジオミール(Ref. 3646)が供給されたと記録されています。
作戦中に捕虜となった際、製造国やメーカーの特定を妨ぐ防諜対策として、
文字盤のブランドロゴを排除した「完全アノニマス(無地)ダイアル」や、
ローマ数字とアラビア数字を組み合わせた「カリフォルニアダイアル」が採用されたと見られています。アレクサンドリア港攻撃とスエズ運河の戦術的重要性

パネライの軍事運用における主要な実績として、
1941年12月に決行された「アレクサンドリア港攻撃」が知られています。当時の地中海は、北アフリカ戦線への補給路を巡る要衝でした。軸心国(イタリア・ドイツ)にとって、
連合国軍の補給線である「スエズ運河」の遮断が重要課題であったようです。
マタパン岬沖海戦により大型艦の運用に制約が生じていたイタリア海軍は、
特殊潜水部隊「第10マス戦隊(Decima MAS)」を投入したとされています。二人乗り水中潜水艇「SLC(マイアーレ)」の工作員は、ラジオミール(Ref. 3646)、
水深計、液体満載式コンパスを装着して出撃した記録があります。
アレクサンドリア港内へ潜入した部隊は、
イギリス地中海艦隊の戦艦ヴァリアントおよび戦艦クイーン・エリザベスの船底に爆薬を設置し、両艦を着底(大破)など
この結果、イタリア側は兵士6名が捕虜となる犠牲に対して
イギリス側は 戦艦2隻大破着底 油送船1隻大破 駆逐艦1隻大破 の大損害となりました。この攻撃により、地中海における海軍戦力比が一時的に変化したと史実にあります。
※2021年に大型コンテナ船「エバーギブン」が座礁したスエズ運河は、同作戦の対象となった海域に近接しています。
ルミノールの誕生と名作「Ref. 6152/1」

1949年1月11日、ラジウムの放射性リスクを回避するため、
トリチウムベースの新塗料「ルミノール」の特許が出願された記録が残されています(1950年取得)。さらに1955〜1956年には、レバーによりリューズを垂直方向に圧着固定する
「レバーロック式リューズプロテクター(Brevetto n. 548255)」の特許が取得され、
「ルミノール」の構造が確立されたとされています。デザインの規範となった「Ref. 6152/1」

1950年代半ばに製造されたとされる「Ref. 6152/1」は、現代のルミノール コレクションの意匠的・構造的ベースとなっているモデルです。
それまでのワイヤーループラグから、ケースとラグが完全に一体化した削り出しケースへと変更され、
特許を取得したレバーロック式リューズプロテクターが本格装着されました。
ケース造形や文字盤レイアウトなど、店頭に並ぶ最新モデルのサンプリング元としても多く参照されています。
冷戦期、このルミノール構造を備えたモデルは以下の
部隊・作戦で運用された記録や証言が残されています。-
COMSUBIN(イタリア海軍特殊無人潜水部隊)
冷戦下の地中海において、ソ連原潜に対する諜報活動や水中爆破工作に従事したとされています。
厚手の潜水用グローブを着用した状態でも操作可能なレバー機構が活躍しました。 -
エジプト海軍と第二次中東戦争(スエズ危機)
1956年、パネライはエジプト海軍の要請に基づき、60mm超のケースに回転ベゼルを備えた「Ref. GPF 2/56」を供給しています。
1956年のスエズ危機および1967年の第三次中東戦争において運用された記録が伝えられています。

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イスラエル海軍「シャイエテット・13(Shayetet 13)」
元イタリア海軍教官による指導とともにルミノールが導入され、中東地域での特殊ミッションに使用されたと見られています。
冷戦終結と駆逐艦「デ・ラ・ペンネ」での機密解除

冷戦期を通じて軍事機密として運用されていたパネライですが、
1991年のソ連解体に伴う世界的な軍縮により、軍需受注が縮小しました。これを受け、パネライ(当時のディノ・ゼイ社長)は
50年以上保持していた軍事機密の解除を決定したと記録されています。1993年9月10日、イタリア海軍のラ・スペツィア(La Spezia)軍港にて、
1941年のアレクサンドリア港攻撃に参加した人物の名を冠する
駆逐艦「ルイージ・ドゥーランド・デ・ラ・ペンネ(D560)」の甲板上において、
初の一般向け民間コレクション”Pre-Vendôme”が発表されました。【1993年に発表されたモデル】
・Ref. 5218-201/A (Luminor Logo) :文字盤にOPロゴを配置した一般市販モデル

・Ref. 5218-202/A (Luminor Marina) :PVDブラック仕上げの特殊部隊仕様モデル

・Ref. 5218-301/A (Mare Nostrum) :1943年開発の甲板将校用クロノグラフの復刻モデル

店頭で時計を手にとる皆さまへ
ルミノールに搭載されたリューズプロテクターやRef. 6152/1に見られるケース造形は、
アレクサンドリア港での潜水作戦、スエズ運河を巡る情勢、
冷戦下における潜水ミッションといった当時の過酷な軍事上の要求に基づいて設計されたと考えられています。普段私たちが店頭でお客さまと一緒にリューズガードを操作し、
そのずっしりとした重厚感を腕に感じていただくとき、
そこには単なる高級時計を超えた「軍事計測機器としての設計思想と歴史」が息づいていることを実感させられます。実車の操作感やケースの仕上がりなど、ぜひ一度店頭でその質感をお確かめください。
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お問合せは
・お電話:052-951-8111パネライ名古屋ブティック 基本情報 住所 愛知県名古屋市中区丸の内3-19-12
久屋パークサイドビル1F営業時間 12:00~19:00 定休日 水曜日定休 ※祝日の水曜は営業 アクセス 市営地下鉄 桜通線・名城線 久屋大通駅 北改札口2A出口前 駐車場 セントラルパーク駐車場(チケット有り) 電話でのお問い合わせ 052-951-8111 メールでのお問い合わせ お問い合わせはこちらをクリック この記事の筆者 大磯努
-Profile-

大磯 努(おおいそ つとむ)
TSUTOMU OISOパネライ名古屋ブティック マネージャー
2011年、日本で2番目のブティックとして
名古屋ブティックがオープンした際に
スタッフとして入社。
2018年より現職。愛用時計はパネライPAM00233 他
趣味は スキー、トレッキング、ガーデニング========================
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