円弧状のダイアルに沿って針が進み、その針がインデックスの終点に振れると瞬時に起点に戻る表示システム。
レトログラードと呼ばれるこの機能は今日、機械式時計に特殊性をもたせるときにしばしば用いられますが、その誕生は1820年代以前にまでさかのぼります。
ゲルト・R・ラングもこの古典的なシステムに魅了されたひとりであることは間違いありません。
しかし彼はこの表示をそのまま用いるのではな<、クロノスイスのラウンド・ケースにぴったり合い、しかも腕時計の分野にかつてなかったディスプレイを開発したいという、時計師らしい技術欲にかられてしまったのです。
「デルフィス」と名づけられたレトログラード採用のモデルには、かつて存在しなかったようなディスプレイを見ることができます。
もっとも際だっているのは、なんといっても半円形の分表示でしょう。
さらに時表示は12時位置の小窓にデジタル表示(アワーディスク)されます。
分針がゼロ位置に戻ると同時に、アワーディスクも瞬時に次の数字を表示するのです。
美しいギョウシェ彫りが施された文字盤の仕上げにも目を奪われることでしょう。